馬車道探訪記



忘れかけたトキメキ今〜♪

1998/12/27(日)

 或いは最も退屈なのは日常に埋没する事であろうか。
 忙しさを口実にしばらく実家にも帰っていなかった尾高です。親に呼び出されたので一晩だけ帰って、軽く説教くらったり、親父と酒を汲み交わしたりしてきました。
 実家との行き帰り、三郷店の前を通ります。足二号で爆走しながら、考え込みます。もう馬車道にも二箇月以上行ってないのだ。ああ、心に風が吹きすさぶことよ(詠嘆)。じっと手を見る。ってハンドル!



 ああ、やっぱり矢羽根に袴は最高ダネ! (;▽;)

 …は?
 …ちょっと待て。記憶を整理してみよう。
 その瞬間アクセル全開全速ターンで馬車道の駐車場に突っこむ背後に響くクラクションも無視して店内へああ懐しの矢羽根紋しゃなりと揺れる袴は正義頭に光るリボンは勇気きゃーウエイトレスさんー♪うなじー後姿にうなじが素敵ー♪肘!肘!袖から覗く肘がいいのー♪ああん久し振りだから思わず目で追っちゃうけどじっと見てると変な人だと思われないかしらんああんでも止まらないぃああっウエイトレスさんと目が会っちゃったー☆きゃー絶対変な人だと思われたーでもいいもーん変な人だもーん☆きゃー袴ー♪編み上げブーツー♪

 …何食ったかも覚えてねぇ…
 二箇月半ぶりの馬車道は想像以上に嬉し恥かしやはり心に潤いは大事だと思った冬の或る日。三郷店も悪くないなあとひとりごちる尾高でありました。


ぶかつどう

1998/10/09(金)

 馬車道の存在を知ってから、はや一箇月。
 180+200+880+500+150+280+200+790+380+530+220+580+430+880+480+300+200+480 = 7660円。うん。まあ、そんなもんだよね。思ったよりかかってないや。
 …いやちょっと待て、交通費を計算してないだろう。いやいや。それでもそんなにかかるわけないって☆ ぴっぽっぱ……。うん。たいしたことないよ。たいしたことない。たいしたことはないんですけどね。ははははは。くすん。
 馬車道、ちょおっとだけ控えますか? 今月、出費かさむし。くすん。
 ぷつっ。とるるるるっ。とるるるるっ。
「tnekoさん迎撃するんで馬車道offね、おっけー?」
「おっけー(男泣き)」
 tnekoさん、SRM氏、Kurenai嬢Y-Ray氏NAG氏TAKKunRyoAovaさんと、大勢の人間が馬車道草加谷塚店(地図)に集合しました。ほとんど同窓会のノリです。しかし『馬車道』の名前でこれだけの人数が集まるとは、尾高も趣味のいい友人ばかり持ったものです。
 ぷつっ。とるるるるっ。とるるるるっ。
「はいはい、こちら馬車道部」
「ここどこぉ? はいから亭なんて無いよ〜(;;)」
「あれぇ、echiさん? 今どこ?」
「草加の馬車道の前〜(;;)」
 なんたる手違いか、echiさんは、草加新栄店(地図)に迷い込んでいたのでした。
「そっから4号出て南に下れば看板見えるから、うん、そうそう」
「今からすぐ行きます〜(;;)」
 もはや遠足の引率気分です。
 しばし遅れてnii氏もご到着。総勢11人の大人数で宴が始まりました。
「や、どもども、おひさし」
「はかま、はかまー」
「ここは、なにが美味しいのかにゃー?」
「名刺くださぁい名刺」
「はかまー」
 さすがにこの人数だとワケがわかりません。
「tnekoさ〜ん、馬車道の制服はどうお?」
「ん〜。いいけど、ブロパの方がもっといいっ」
 主賓のtnekoさんは馬車道よりブロパことブロンズパロット(参考)の方がお気にいりのようです。ううん、残念。
「あ、でもスパゲッティは美味しい☆」
 まあ喜んではいただいているようなのでよしとします(^^;
「ゆんさんゆんさん」
「なんですかKurenaiさん」
 ちなみに『ゆん』は尾高の旧名です。
「いいねぇ、和服は」
「いいですねぇ」
「おうちに持って帰りたいものですなぁ」
「そうそう、身長150cmくらいの小柄な娘を小脇に抱えて」
「へっへっへ」
「へっへっへ」
 落研に所属しているKurenai嬢からは、和服に関して色々と面白い話を聞かせていただきました。落語の人は、師匠についた時にまず1冊のネタ本を渡され、それを全部覚えなければいけないのだそうです。当時の風俗、風習に精通していなければ、的確なニュアンスで噺は出来ないのですね。この辺の話はまた改めてネタにすることにしましょう。
・海老とくるみのスパゲティ+フェアセット/桃の香りのアイスティー(880+500円)
・バナナショコラピッツア(880円)
 本日は、同席の4人でピッツアをいただきました。あったかい生地に、チーズクリームと冷たいバナナの乗ったピッツアです。おもろいお味でしたが、特にこれは! といったシロモノでもありません。
 その後、つくばに移動してカラオケの予定が、長旅でお疲れのtneko嬢はぐっすりお休みになられ、野郎4人でむなしくアニソンを熱唱したのは、秘密です。


三匹が往く!

1998/09/27(日)

「明日は日曜日じゃのう」
「暇じゃのう」
「折角の休日なのにのう」
「まるでダメ人間じゃぁ」
「そうじゃのう」
「そういう時は馬車道にでも行くのじゃ」
ソレだ!どこの馬車道行こうか」
「それじゃこことこことここと
「ウム。15:00に谷塚駅の前ナ」
 若いっていいなあ。
 今回は掟破りの馬車道3連チャン。草加周辺の3店、草加谷塚店(地図)、越谷南店(地図)、草加新栄店(地図)を一度に撃破する予定です。もはや手段と目的がアレしてナニな気もしますが、ま。それはそれ。Y-RayNAG、尾高の三匹の素浪人を止められるモノは無いのです。というより呆れて誰も止めません。ありゃ。
 意気揚々と谷塚駅に降り立った三匹。しとしと雨模様もなんのその、最初の目的地へと向かいました。
 草加谷塚店。馬車道には珍しく、駅からほど近い立地のお店です。同じ敷地内に、はいから亭も隣接していました。
「………」
 しばし迷った三匹でしたが、大人しく馬車道へ直行します、まだまだ弱い。
 いつものように、笑顔のはいからさんに迎えられます。ああ、やっぱり何度見てもいい〜(^^)。照明、パーティションなどの内装は、ちゃんと馬車道らしく、いい雰囲気です。
・ところてん+桃の香りのアイスティー(180円+200円)
 まずは前哨戦という事で、軽く前菜(?)で攻めます。ところてんは…まあ、ところてんはところてんですわな。思わぬ収穫だったのは桃の香りのアイスティー。味としては、ネクターピーチの原液を紅茶で割った、という感じなのですが、口あたりが非常によろしい。口に含んだ瞬間、桃の甘味がふわあっと広がるのですが、その後に紅茶の香りが抜けて、すっきりとしたいい後味になっています。いいなぁ。癖になりそう。
 さて、時間も押してるので次の店。の前にトイレトイレ。へへ。
 谷塚から、再び電車に乗って、新田駅へ移動します。
 お次は越谷南店。駅を降り、しばし歩きます。てぽてぽ。てぽてぽてぽ。てぽぽぽぽ。まだ着かない〜ん(;;)。歩き飽きた頃に、ようやく到着しました。
 ……
「この店、来たことあったっけ?」
「んー? 気のせいじゃない?」
 首を傾げつつ、店内へ。いつものように、笑顔のはいからさんに迎えられます。ああ、やっぱり何度見てもいい〜(^^)。照明、パーティションなどの内装は、ちゃんと馬車道らしく、いい雰囲気です。
 ……あれ?
・ずわいがにとしめじのスパゲティ+フェアセット(880円+500円)
 さあ、いよいよ本戦に突入です。秋は秋らしく、折角フェア中でもあることですし、秋のメニューを頼むことにしました。おおっ。やっぱり馬車道のスパゲティは美味しいなぁ。ふっくら…はさっき使ったな。ふくよかな蟹の風味に、えーと、しめじの…しめじの…しめじが、素晴しいハーモニィを奏で…やめやめ(;;) 美味しんぼごっこは苦手です。ま、とても美味しかったですよ、とだけ言っておきましょう。ししし。
 一食すませ、落ち着いた腹に、桃の香りのアイスティーを流し込みます。へへ、また頼んじゃった。やっぱり癖になる味だなぁ。………ぐ。またトイレ。今日はトイレ近いなぁ。桃の香りのアイスティーって利尿作用でもあるのかなぁ。
 席を立った尾高を、再び奇妙なデジャ・ヴが襲います。おかしい、この店は絶対に来たことがある。これは、これは、
馬車道谷塚店 「馬車道谷塚店だっ!」
 そう、馬車道越谷南店は、谷塚店とコンパチと言っていい程そっくりの造りだったのです。違いと言えば、谷塚店のトイレには障害者用の手すりがあるけれど、越谷南店にはそれが無い、という事くらいでしょうか。…間違い捜しやってるんじゃないんだけどなあ。
 さて、気を取り直して最後のターゲットへ向かいましょう。
 草加新栄店。越谷南店と最寄りの駅は同じですが、地図を見ればわかるように、駅を狭んでちょうど反対側、かなりの距離を歩くことになります。まあ、そろそろ腹もくちくなってきた頃合、
「腹ごなしにちょうどいいよね」
 呑気に歩く三匹のすろうに。ああ、この時、頭上に垂れ込める暗雲に、気付くべきだったのです。
 てぽてぽてぽ。しとしとしと。てぽてぽてぽ。しとしとしと。てぽてぽてぽ。ぴちぴちぴち。てぽてぽてぽ。どんどん人気がなくなって行きます。住宅も見当たらなくなりました。暗いよう。こわいよう。本当にこんな所に馬車道、あるの?(;;)
「(地図を広げ)うん。この、1km四方のどこかにあるはず」
 ひぇぇぇ(;;)
 
……‥
 ‥……ざあざあざあざあざあざあ。
 多くは語りますまい。
 なにはともあれ、無事、馬車道には辿り着いたのですから。
 くすん。
 …ってあれ?
「この店、来たことあったっけ?」
「んー? 気のせいじゃない?」
 傘にまとわりついた雨粒を降るいつつ、店内へ。いつものように、笑顔のはいからさんに迎えられます。ああ、やっぱり何度見てもいい〜(^^)。照明、パーティションなどの内装は、ちゃんと馬車道らしく、いい雰囲気です…って、ここもコンパチかーい!
 いや、ここはパーティションが少なめかな。だから間違い捜しじゃないってば。
 どうやら、この店の形状は馬車道の基本形であるようです。少なくとも、この3店が同一の設計図から造られたのは確かなことでしょう。かわりばえのしないことであるよ。
・ブルスケッタは馬車道風(150円)
・抹茶アイスクリン+ホットコーヒー(280円+200円)
 ブルスケッタ〜は、トマトなどを盛り合わせたガーリックトーストです。カリカリさくっと美味しいですな。
 抹茶アイスクリンは、まあ普通の抹茶アイスでした。Y-Ray氏はしきりに「関内馬車道の馬車道アイスと何か関係あるのか??」と首をひねっておりましたが、特にナニがドウという事もなかったようです。
 ここまで実に6時間。くたくたになった三匹は、バスに乗ってとっとと駅へ、さっくり解散したのでありました。お腹はとても満足したのですが、あまり色々な店に行ったという気分もせず、ちょいと消化不良な旅往きでした。むふぅ。
 (10/12)tnekoさん「ファミレスなんざそんなもなだ」というツッコミは痛いです(;;) とほほ


世界が止まる日

1998/09/22(火)

「もう我慢できないっ!」
 前回、馬車道を訪ねてから、はや10日。そろそろ禁断症状が出てきたようです。
「社長さん。へっへっへ。いい店があるんすけどねェ」
「な、なんだ!?」
「いい娘がいてますよォ。へっへっへ」
「むぅ。それは行ってみずばなるまいよ」
 会社の同僚をそそのかして、車を出させることに成功しました。なんとかと鋏は使いいようと言いますか。へっへっへ。つーか、お前、はやく車の免許とれ。
 三郷店が気にいらなかったので、会社に二番目に近いと思われる店、春日部東口店(地図)に再び御邪魔しました。
・ペペロンチーノ馬車道風(790円)
・地鶏の唐揚げ(380円)
・異国風デザートの盛り合せ+エスプレッソ(530+200円)
 本日のヒットは地鶏の唐揚げ。ジューシーで柔らかい鶏肉が、噛みしめるたびに、じゅわっと温かい肉汁が染み出して、とても美味しうございました。
馬車道マネージャー  さて、いつものようにウエイトレス観賞にかまけていた尾高、ふと見慣れないものが視界に入ったのに気付きました。
 えーと。あれ? なんだ?
「袴を履いてない女性がいるっ!」
 別に、袴を履き忘れたうっかりさんが、店内を歩き回っているという、顔がゆるみつつも目のやり場に困る、嬉し恥ずかしい光景が展開されていたわけではありません。
 実はお客さんでした、というオチでもありません。
 その女性は、白いYシャツにネクタイを締め、タイトな黒のスカートに身を包み、颯爽と店内を濶歩していました。
 てきぱきとオーダーを取り、店内に目を配り、笑顔でお客様を迎える。袴姿を見慣れていた尾高の目に、その姿はむしろ新鮮に映るのでありました。
「へっへっへ。これはこれで、なかなか」
 また少し深みにはまったような気がするのは、おそらく気のせいではないでしょう。
 厨房での会話から、彼女はこの店の店長である事が知れました。
 馬車道の女性店長さんはこんな格好をするんだ! 新しい発見に胸トキめかせた尾高は、帰社後、早速Y-Ray氏に、得意気に本日の成果を報告しました。
「…で、店長さんはこれこれこういう制服なんだよぉ!」
「…普通、マネージャーってそういう格好してるもんじゃないか?」
「……」
「……」
「…そっ、そうだネッ」
 泣くな尾高。男の子だろ。


世はなべて事もなし

1998/09/12(金)

 この日はグリッドバグの総会に御邪魔しました。ぼすおおぼすJijiさんtextexらいすさんといった面々です。
 しばらくまったりとした時間を過ごしたあと、秋津のはいから亭に出かけることにしました。しかし、この日グリッドバグの面々はすでに小平の馬車道に行ってきた後。私も前日、三郷の馬車道に行ってますので、全員が馬車道梯子状態です。ううん。
 秋津の駅でY-Ray氏と合流。
「いやあ、いま所沢の馬車道、行ってきたとこ」
 あんたもかぁ!
 まったく、行動パターンの似た人達です。
 はいから亭秋津店(地図)。しかしまあ、どうしてこう馬車道系のお店は駅から遠いのでしょうか。って、馬車道は一定の店舗面積が確保出来ないと出店しないって聞いたことあるから、駅前の一等地に見あたらないのは当然ですかね。
 感想。普通の焼肉屋でした。おわし。
 あっ、やだ、殴らないでっ。
 だって、本当に普通の焼肉屋なんですもの。こだわりの炭火を使っているわけでもないし、当社は特上の神戸牛しか使いませんなんてのとも違うし(当たり前)。座敷は、戸を閉めるとほとんど個室状態なんで、鑑賞会にもならなかったし。
 あっ、そうそう、靴が編み上げブーツじゃなかったの。座敷に上がらなきゃいけない関係で、脱ぎ易いふつーの靴になってるんですねっ。
 あ、あともっと凄いのがね、トイレの蛇口がね、赤外線検知の自動蛇口なんですけどね、あれって普通地面に対して垂直(↓)に水が出ますよね。それがですね、お客さん。はいから亭の蛇口は水平(→)に水が飛び出すんですよ! いやあ、面白い。世にも珍しい。え? 下らない? だってあなた、手を洗おうと蛇口の前に差出したら、その上を水が通過していくんですよ! 面白いでしょ? はっはっはっ。腹がよじれて死にそうだ。おかしくてたまらないや。はっはっはっ。へそでやかんが茶ぁ沸かすぜ。はっはっはっ。はっはっはっ。
 ごめんなさい。


大いなる誤謬

1998/09/11(金)

 明日は東京で昔の仲間が集ります。夕食を秋津のはいから亭で食べるというので、尾高も参加することにしました。へへ。いや違う。昔の仲間の顔を見にいくことにしたところ、はいから亭で夕食をとるというではないですか。まあ嬉しい。これでこそ布教のかいがあるというものです。
 はて、なにを翌日の話などしておるのだと思ったあなた、ちょっと気が早い。
 東京都保谷市に実家のある尾高、ついでに、ひさびさに家族に顔を見せようと考えました。ああ、孝行息子。ぱさりと広げた地図の一点に吸い寄せられる視線。
「三郷…?(きらーん)」
 おい、ちょっと待て
「馬車道三郷店!」
 明日には、はいから亭に行くんだろ!
「いや、道すがらだし」
 そのくらいも我慢出来ないの?
 出来ません。出来るものですか。
 愛車、スーパーカブ「足二号」にまたがった尾高は、一路三郷を目指したのでした。
 馬車道三郷店(地図)。橋の向こうに藍屋、隣に屯田という激戦区です。
 店内を見回してまず抱いたのが、馬車道らしくないという印象でした。
 まだ3店しか行ったことはなく、サンプルはじゅうぶんではないのですが、その少ない経験から尾高の導き出した馬車道像とは次のようなものでした。
・少なめの窓
・暗い照明の店内
・背の高いパーティション
・中央のサービスコーナーから常に店内をチェックしているウエイトレス
 要するに、雰囲気づくりをとても大切にしている事、サービスに気をつかっているということでした。
 三郷店は、壁はすべて大きなガラス窓張り、明めの店内、パーティションは低く店内が楽に見渡せる。早い話が、普通のファミレスをてっとり早く改装したような内装だったのです。どうやら、元は京樽の店舗だったようです。
 雰囲気造りにおいて他店に遅れをとっているという印象は拭えません。
「お煙草はお吸いになられますか?」
「いえ、吸いません」
 おや。この店はちゃんと禁煙席があるんだな。春日部店にはなかったのにね。10点プラス。へへ。
 ま、内装じゃなくて袴(姿のウエイトレス)見に来てるんだからいいよね、などとつぶやきつつ席まで案内された尾高、ここでも大きな落し穴が待ち受けていようとは、知る由もなかったのです。
 この店の従業員比率は女性4人に男性2人。注文を取りに来たのはウエイターでした。ちえ。
 実家で夕食の予定でしたので、軽く一品料理で済ませることにしました。
・バーベキュースペアリブ(560円)
 またウエイターかよ。ちえ。いやま、それはおいといて。
 その量にびびる尾高。どうも馬車道のメニューは尾高感覚より少し多めで出てくる原則のようです。油断したなぁ。これ1食分でも通るなぁ。
 骨つき肉のスペアリブ。にくにく。ばくばく。にくにく。あ、いやいや。豪快に骨ごとかぶりつき。おいちい、おいちい。ぺろぺろ。あ、いやいや。へへ。
 特筆すべきはつけあわせのポテトです。大きめに切ったポテトを油でかりっと揚げてあり、さくさく感が素晴しい。これは美味しいです。
 結局、おなかいっぱいになってしまった尾高、会計をすませて、ふと首を傾げました。はて? 何か物足りない。
「あーっ!」
 そう。結局ウエイトレスさんを目にしたのは、最初の案内と最後のレジの2回だけなのでした。禁煙席はウエイターの領分だったのです。とほほ。
 煙草、吸うかなぁ。とほほ。


つくばに一番近い店

1998/09/08(火)

 前回は噂のパスタを食べ損ねた尾高、悔しさに枕を涙に濡らしました。次こそはと牙を研いおりましたが、雪辱の機会は意外とすぐにやって来たのです。
 朝もはよからつくばの自宅でうだうだしていた尾高(社会人)は、筑波大のRyoちんを誘って昼飯に出かけることにしました。Ryoのお勧めというお店に出かけたのですが、そのお店、影も形もありません。
「あれ? おかしいですね。あれれ?」
「…無くなったんちゃうか?」
「そうですねぇ。あははは」
「……馬車道でも行く?(もちろん冗談)」
「あー。いいですよ。あはははは」
「(えー!)埼玉。遠いよ?」
「この前、夕飯に水戸(つくばより車で1時間)まで行きましたよ。あはは」
 WWWでさくっと、馬車道情報をリストアップ(さのくらさんに感謝!)。つくばに一番近い店は春日部東口店(地図)、春日部店(地図)の二店のようです。
「どっち行こうかぁ」
「一軒目でランチ喰えば、二軒目でデザート喰えますねぇ」
「あー。そ・ゆのもありか」
 車で1時間、ドライブがてら行ってまいりました。
 春日部東口店。ランチタイムぎりぎりの時間だからか、そんなに混んではいません。それでも3名の店員さんが忙しそうに歩き回っておりました(眼福 ^^)。
・フレッシュドイツソーセージ(430円)
 尾高はソーセージ大好きです。以前ガストでスカスカのまずいの食わされてひどい目にあったのですが、馬車道はそんな事ありませんでした(^^)。ぽりぽり。
・モダンガールランチ(880円)
  モダンガールスパゲティ+コンソメスープ+サラダのセットです。通常時のスパゲティより100円安くなり、スープとサラダのついたお得なランチです。モダンガールスパゲティは、コーンなどミックスベジタブルの入ったポタージュのスープスパゲティです。思っていたよりも多めの量が出てきました。ぱく。
 ……おいしい〜ん。ちゃんと固めに茹でてあっておいし〜ん。尾高は固めのアルデンテ好きなので嬉しいですねぇ。ずず。
 トイレに行った際、淑女休憩所で腰をかがめて手を洗っているすみれ女史の後姿がちらっと見えました。あ・あ・なんかしあわせ(覗こうと思ったわけじゃないぞ)。
 春日部店。同じ敷地内に、新しい建物を建造中でした。かたわらにはちゃんこ鍋の看板が…?? 馬車道系列って、ちゃんこ屋も経営してるの??
・パフェブラウニー(480円)
 ブラウニーケーキの上にアイスと生クリームを乗せて、そのまわりをふわふわしたの(?)で囲んだパフェ仕立てのデザートです。ちょっと食べにくいのですけど、ふわふわしたのと生クリーム、アイスの取り合わせが甘冷たくって美味しかったです〜。
・ベイクドチーズケーキ+コーヒーセット(300+200円)
 チーズケーキも好き。ぱく。コーヒーはあまり飲まないので善し悪しがよくわかりませんでした。少なくともまずくは無かったように思います。おかわり無しってだけあって、それなりのお味が出ているようでした。
 総評としては、ファミレスとしてはちょっと高い(ガストとの比較?)けど、量、味などを計算に入れて、合格点☆(ぱかぱーん)。いえ、それ以前に袴でもうメロメロなんですけど。ま、ダメ押しということです。
 RyoのThink Padを横目で見つつ「モバイルなら馬車道の感動をリアルタイムでチャットにお伝え出来るんだなぁ」などと妄想に浸る午後の一時でありました。


出会いは突然に

1998/08/30(土)

 激しい雨の振る日のことでした。
 それはもう、記録的な大雨の日だったのです。
 そういう日にわざわざ外出するのは、あまり頭のよくない、お馬鹿さんのする行動だと言えましょう。ですが、そのおかげでこの運命の出会いがあったわけです。馬鹿もそう捨てたものではありません。
 この日、尾高は友人のY-Ray氏Kotani氏と共に、「眼福ツアー」と銘打って、キュートなファミレスの制服を堪能する旅に出ておりました。
 当初の予定通り、渋谷アンミラ、立川ブロパと回ったのですが、なにか物足りない。たしかに目の保養ではありましたが、一沫の淋しさが去来するのも否定できない事実なのでした。
 一行は、巫女ふぇちY-Ray氏の提案により、小平の馬車道というファミレスにまで足を伸ばすことになりました。
 尾高は雨が嫌いです。駅から徒歩の20分、びしょ濡れになり鬱入りつつ「俺、せっかくの休日に何してるんだろぉぅぉぅ」などと呟いたのも、まあ、無理からぬ事でしょう。
 そしてその建物は唐突に目の前にあらわれたのでした。
「あ」
 大正風(これは実は明治風だったわけですが)にまとめられた、モダンな雰囲気の店内です。
「こ、」
 矢羽紋の袴姿にたすきがけ、大きなリボンが可愛い店員さんが笑顔でお出迎えです。
「これだぁ!」どれだよ。
 明治女学生風の媚びない可愛いさは、心地よいお店の雰囲気と相まって、尾高のツボを見事に直撃したようです。
「アンミラもいいけど、馬車道はもっといいよね」
「はふう。日本人の体型に袴ってよく似合うねぇ」
「あ、肘が見える。肘が。あああ。素の腕が素敵♪」
「眼鏡! 袴には眼鏡がよく似合います! 偉大な発見です、提督!」
「はふう」
 すでにお腹いっぱい(当たり前)であった尾高は、カフェゼリーワルツ(480円)を食し、胸いっぱいの満足感を抱きしめて帰途につくのでありました。